地震や台風が気になるけどどうすれば強い家がつくれるの?

家の性能

沖縄の人はRC造(鉄筋コンクリート造)に比べて木造は構造が弱く地震や台風が心配だと思っている人が多いのではないでしょうか
そもそも私たちは家を建てる際にどのようにして地震に強い建物や台風に強い建物だと判断すれば良いのでしょうか
色々調べてみると住宅性能表示制度が判断基準として使えそうです

住宅性能表示制度とは

住宅性能表示制度とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律(「品確法」)」に基づく制度で様々な住宅性能表示する制度です

新築住宅における性能の表示項目には10分野あります

1. 地震などに対する強さ(構造の安定)

地震などが起きた時の倒壊のしにくさや損傷の受けにくさを評価します。等級が高いほど地震などに対して強いことを意味します。

等級1でも、建築基準法を満たす住宅なので、大地震が起きても倒れてしまうことはまずありませんが、性能表示制度を使うと、評価機関が建築工事を検査するので、ミスや手抜き工事の防止に役立ちます。

このほかにも、強風や大雪に対する強さに関する評価もあります。

2. 火災に対する安全性(火災時の安全)

住宅の中で火事が起きたときに、安全に避難できるための、燃え広がりにくさや避難のしやすさ、隣の住宅が火事のときの延焼のしにくさなどを評価します。

3. 柱や土台などの耐久性(劣化の軽減)

年月が経っても土台や柱があまり傷まないようにするための対策がどの程度されているかを評価します。等級が高いほど柱や土台などの耐久性が高いことを意味します。

木造の場合は主に土台や柱が腐らないようにするための対策、鉄筋コンクリート造の場合は主に柱や梁のコンクリートがもろくならないための対策、鉄骨造の場合は主に鉄の部分が錆びにくくする対策を評価します。

4. 配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策(維持管理・更新への配慮)

水道管やガス管、排水管といった配管類は一般に構造躯体の修繕などを実施するよりも早く取り替える必要があります。

そこで配管の点検や清掃のしやすさ、万一故障した場合の補修のしやすさなどを評価します。等級が高いほど配管の清掃や補修がしやすいことを意味します。

また、共同住宅等については、排水管が寿命となった際、新しい排水管に更新する工事のしやすさや、間取り変更のしやすさの情報として、躯体の天井高等の評価、表示もします。

5. 省エネルギー対策(温熱環境・エネルギー消費量)

暖房や冷房を効率的に行うために、外皮(壁や窓など)の断熱などがどの程度されているかまた、設備(暖冷房、換気、給湯、照明)や創エネルギー(太陽光発電など)を総合的に評価します。等級が高いほど省エネルギー性に優れていることを意味します。

6. シックハウス対策・換気(空気環境)

接着剤等を使用している建材から発散するホルムアルデヒドがシックハウスの原因のひとつとされているため、接着剤を使用している建材などの使用状況を評価します。

建築工事が完了した時点で、空気中のホルムアルデヒド等の化学物質の濃度などを測定することも可能です(ただし、測定はオプションです)。

また、住宅の中で健康に暮らすためには適切な換気が必要なので、どのような換気設備が整えられているかについても評価します。

7. 窓の面積(光・視環境)

東西南北及び上方の5方向について、窓がどのくらいの大きさで設けられているのかを評価します。

8. 遮音対策(音環境)

主に共同住宅の場合の評価項目で、上の住戸からの音や下の住戸への音、隣の住戸への音などについて、その伝わりにくさを評価します(この評価項目はオプションです)。

9. 高齢者や障害者への配慮(高齢者等への配慮)

高齢者や障害者などが暮らしやすいよう、出入り口の段差をなくしたり、階段の勾配を緩くしたりというような配慮がどの程度されているかを評価します。

10. 防犯対策

外部開口部(ドアや窓など)について、防犯上有効な建物部品や雨戸等が設置されているかの侵入防止対策を評価します。

引用:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 https://www.hyoukakyoukai.or.jp/seido/shintiku/05.html

耐震等級とは

地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを表し、等級1~3まであります

東京を想定した場合、震度6強から7程度の地震の揺れに対し、倒壊や崩壊等しない程度を等級1、等級2はさらに1.25倍の地震力に対して倒壊や崩壊等しない程度、等級3では1.5倍の地震力に耐えることができます

ただし、これはあくまで倒壊、崩壊等しない程度であって、被災後は家が大きく損傷し、傾いたりするなど多額の修理なしではとても住める状況ではない可能性があります

また、損傷後は、耐震性能が低下するため、繰り返し地震に見舞われた場合は倒壊するおそれもあります。

実際に2016年に起こった熊本地震では、震度7が2回、震度6も複数回発生しているため、耐震等級1では心細い性能と言えるかもしれません

ちなみに「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」が国土交通省に報告した内容によると、熊本地震において、耐震等級3の木造建築物は大きな損傷が見られず、大部分が無被害だったそうです

参考:https://www.mlit.go.jp/common/001155087.pdf

また、 「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」 の委員でもある、京都大学の五十田教授が耐震性について語っている動画がありますので紹介します(長いので2倍速で視聴することをオススメします)

京都大学 五十田先生に学ぶ家づくり!『耐震等級3のススメ』編~震度7の地震後も住み続けられる耐震性能~

ちなみに、この動画に出ている福岡、熊本で工務店をしているエコワークスさんでは、耐震等級1から3にする費用は坪あたり1万円から1万3千円とのことです

耐風等級とは

暴風に対する構造躯体の崩壊、倒壊等のしにくさを表し、等級1~2まであります

東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約35m/s、最大瞬間風速が約50m/sの暴風に対し、倒壊や崩壊等しない程度を等級1、等級2はさらに1.25倍の力に対して倒壊や崩壊等しない程度となります

個人的な結論

ハウスメーカーや地域工務店、設計事務所などで耐震性能や耐風性能を確認する際には「住宅性能表示制度だと等級いくつですか?」と尋ねることでどの程度の性能か判断できそうです

また、木造住宅であっても住宅性能表示制度を活用し、第三者機関のチェックを受けることで、必要な耐震性能や耐風性能を確保することができます

実際に家をつくる際には耐震等級3、耐風等級2が取得できるか確認したいと思います

コメント

  1. 上原 より:

    首都直下地震と南海トラフ (MdN新書) https://amzn.asia/d/fnLwPBS という書籍で、
    土地が川からどのような位置にあるかで、
    耐震性が変わってくる、とありました。
    参考までに。

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